初夏のみかん 南津海(なつみ)
「南津海(なつみ)」は親が「カラマンダリン」と「吉浦ポンカン」で、周防大島の山本柑橘農園さんが品種改良して誕生した品種です。
一般的なミカン類は秋から冬が旬のため、新しい品種のこの「南津海(なつみ)」も当初その時季に収穫していたそうですが、収穫しなかった「南津海(なつみ)」の樹に初夏になって野鳥が群がっているのを不思議に思い、その果実を食べたところ、たいそう美味しかったそう。産みの親の山本柑橘園さんが夏に食べておいしい実だから「夏(なつ)」「実(み)」、そしてこの山本柑橘園さんが島の「南」側の「海」に面した「津」(入江)の集落(安下庄:あげのしょう)だったため、このネーミングにしたとのことです。ちなみに、次の年の花が咲く5月まで樹上に実があるため、花と実が同時に樹上にある珍しい光景が楽しめます。
もともと、ミカン類で春から初夏が旬の品種はなく、ミカン農家にとっては待望の品種だということもあり、だれでも栽培できるようにと山本柑橘園さんはあえて品種登録は行いませんでした。そのおかげもあって1978年(昭和53年)から全国で育成されはじめましたが、食味のよさと収穫時期が他の品種と異なることから栽培するミカン農家さんが増え続け、今では全国で約900トンを超える収量を上げるまでになっています。
見た目は温州みかんに似ていて、手のひらサイズ。皮は簡単に手でむけて、袋ごと食べられます。甘みが強くてほどよい酸味があり、しっかりした味わいです。